再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
あやすようなキスと愛撫、響く水音に羞恥が高まるがどんどん思考がおぼつかなくなっていく。

漏れる高い声を抑えたいのに、惺さんは決して許さない。


「可愛い声を聞けるのは俺の特権だろ?」


耳元でささやかれ、みだらな指の動きに、声にならない声が漏れて足先がきゅうっと丸くなる。

体に感じるシーツの感触にさえ敏感に反応して、涙が零れ落ちる。


「……可愛すぎるな」


この甘い時間の中で何回“可愛い”と言われただろう? 


反論したいのに、口から出る単語は意味をなさない。

しかも頭の中が蕩けてきちんと判断できない。

ただ与えられる甘くて熱い感覚を受け入れるのに必死だ。


「俺を覚えて、刻みこんで」


つぶやき、ひと際激しく口づけて私の足を抱え上げる。

熱く昂った質量のものが押し入ってくるのを全身で感じる。

体中に一気にはしる衝撃に涙が止まらない。

ほどけたキスの合間に吐き出す自分の声が遠くに聞こえる。

これ以上ないくらいに密着し、伝わる熱に酔いしれる。


「……希和」


私の名を呼ぶ、整った容貌が切なげに歪む。

初めて見る表情にゾクリと背中にしびれがはしる。

ひとつに繋がったところから響く音が恥ずかしいのに、もっとと貪欲に熱を求めて腰が揺れる。
< 50 / 200 >

この作品をシェア

pagetop