再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
『昨夜は残業だったし、焦らずゆっくり出社しろ』
車内で何度も言われたが、丁重に断った。
『大丈夫です。午後からの会議準備もありますから……』
『有能な秘書には感謝しているが、それ以前に俺の恋人だろ? ……体、つらくないか? 無理はするなよ』
原因は俺だがと苦笑し、前を向いた状態で私の頭を撫でる。
さりげない仕草ひとつに鼓動が跳ねて、落ち着かない。
ひとり暮らしをしているマンションの前で停めてもらい、礼を告げる。
ちなみに実家は札幌中心部から高速バスで一時間ほどで海が近い場所だ。
車中でふいにその話題に触れた際に、彼が一度訪れたいと言った。
近くには観光名所もあるので、そのせいかとうなずく。
『雪景色は特に綺麗ですよ。ご案内しましょうか』
『……観光をしたいわけではないが』
今はまだいい、と仏頂面で断られた理由がよくわからない。
車から降りて、忘れものがないか確認する。
『希和』
呼ばれて、開いた窓を覗き込むと柔らかなキスが降ってきた。
『会社でな』
再び一気に跳ね上がった心拍数を迅速に処理できない。
走り去る車を呆然と見つめる。
車内で何度も言われたが、丁重に断った。
『大丈夫です。午後からの会議準備もありますから……』
『有能な秘書には感謝しているが、それ以前に俺の恋人だろ? ……体、つらくないか? 無理はするなよ』
原因は俺だがと苦笑し、前を向いた状態で私の頭を撫でる。
さりげない仕草ひとつに鼓動が跳ねて、落ち着かない。
ひとり暮らしをしているマンションの前で停めてもらい、礼を告げる。
ちなみに実家は札幌中心部から高速バスで一時間ほどで海が近い場所だ。
車中でふいにその話題に触れた際に、彼が一度訪れたいと言った。
近くには観光名所もあるので、そのせいかとうなずく。
『雪景色は特に綺麗ですよ。ご案内しましょうか』
『……観光をしたいわけではないが』
今はまだいい、と仏頂面で断られた理由がよくわからない。
車から降りて、忘れものがないか確認する。
『希和』
呼ばれて、開いた窓を覗き込むと柔らかなキスが降ってきた。
『会社でな』
再び一気に跳ね上がった心拍数を迅速に処理できない。
走り去る車を呆然と見つめる。