再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「先輩、素敵なお話をありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」
「ありがとう! 早速先方に話して、手続きに入るよ。雇用条件や詳細な事業内容の資料は後日送付する。住所は大学時代と同じか?」
「はい、在学中と同じ部屋に住んでいます。こちらこそ、ありがとうございます。助かります」
再度礼を告げ、今後の簡単なスケジュールを教えてもらってから先輩と離れた。
勢いと先輩の巧みな勧誘に負けた感は否めないが、後悔はない。
けれど、若干の不安は残る。
「よかったわね、再就職おめでとう!」
祝いの言葉を告げる親友に肩を竦める。
「まだ決まってないわよ……本当に私でいいのかな」
「サークル内で希和をひと際可愛がっていた先輩の推薦なんだから自信を持ちなさい。本当にふたりが今まで付き合っていないのが、不思議よ」
「先輩に恋愛感情は今も昔もないの」
きっぱり否定すると、杏実に素早く切り返された。
「大学時代から度を越える構いようだったけど、やっぱり今でも希和は先輩の特別なのね。樋浦さんが実家からの呼び出しでさっさと帰ってくれてよかったわ」
親友の出した名前に、小さくため息が漏れた。
「ありがとう! 早速先方に話して、手続きに入るよ。雇用条件や詳細な事業内容の資料は後日送付する。住所は大学時代と同じか?」
「はい、在学中と同じ部屋に住んでいます。こちらこそ、ありがとうございます。助かります」
再度礼を告げ、今後の簡単なスケジュールを教えてもらってから先輩と離れた。
勢いと先輩の巧みな勧誘に負けた感は否めないが、後悔はない。
けれど、若干の不安は残る。
「よかったわね、再就職おめでとう!」
祝いの言葉を告げる親友に肩を竦める。
「まだ決まってないわよ……本当に私でいいのかな」
「サークル内で希和をひと際可愛がっていた先輩の推薦なんだから自信を持ちなさい。本当にふたりが今まで付き合っていないのが、不思議よ」
「先輩に恋愛感情は今も昔もないの」
きっぱり否定すると、杏実に素早く切り返された。
「大学時代から度を越える構いようだったけど、やっぱり今でも希和は先輩の特別なのね。樋浦さんが実家からの呼び出しでさっさと帰ってくれてよかったわ」
親友の出した名前に、小さくため息が漏れた。