再縁恋~冷徹御曹司の執愛~

7.「今も、愛している」

悟己(さとみ)、じゃあね。今日も一日楽しく過ごしてね」


保育園の入口で先生に挨拶し、もうすぐ三歳になる息子といつもの言葉を交わす。


「うん、ばいばーい」


泣いて離れるのを嫌がっていた日が嘘のように、慌ただしく保育室に駆け込む息子の後ろ姿を見送る。

日々の小さな成長が嬉しいのに、少し寂しくなるのはなぜだろう。


「武居さん、おはようございます」


保育園の門を出るとすぐ、ツインテールの女の子と手を繋いだ長身の男性に声をかけられた。


白鳥(しらとり)さん、梨華(りか)ちゃん、おはようございます」


「この間、店長に勧めていただいた食器、友人に大好評でした。ありがとうございます」


「よかったです。春香さんに伝えますね、きっと喜ばれます」


那津(なつ)兄、早く早く! 悟己くんと遊びたいの!」


悟己と同じクラスの梨華ちゃんが白鳥さんのスーツの上着を引っ張る。


「あ、ああ……ちょっと待って、梨華。ええと、武居さん、またお店に寄らせてもらいます」


「いつもありがとうございます」


梨華ちゃんに引っ張られながら歩くふたりの後ろ姿を見送る。
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