再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
午前十一時過ぎに昼食を手早く済ませて、新宿の百貨店に向かった。
地下の食料品売り場で予約していた手土産と領収書を受け取る。
今日は期間限定の洋菓子の販売初日らしく、フロア内は混雑していた。
紙袋を抱え、人込みを進んでいたとき、トンと肩が男性にぶつかった。
「すみません……」
反射的に顔を上げた瞬間、呼吸が止まった気がした。
身じろぎすらできず、目を見開く。
周囲から騒々しい音が一気に消えていった。
なんで、ここにいるの?
……人違い?
ううん、見間違えるなんて絶対にありえない。
「……希和……?」
四年ぶりに耳にした声、呼ばれた名前に、鼓動がドクンと大きな音を立てた。
これは、幻聴?
あの頃よりもやや低く落ち着いた声と相変わらず見惚れるほど整った面差し。
切れ長の目が驚いたように見開かれている。
ずっと頭の中で思い描いていた人を目の当たりにして、胸の奥が痛いくらいにきつく締めつけられる。
……この人を一日だって忘れた日はなかった。
地下の食料品売り場で予約していた手土産と領収書を受け取る。
今日は期間限定の洋菓子の販売初日らしく、フロア内は混雑していた。
紙袋を抱え、人込みを進んでいたとき、トンと肩が男性にぶつかった。
「すみません……」
反射的に顔を上げた瞬間、呼吸が止まった気がした。
身じろぎすらできず、目を見開く。
周囲から騒々しい音が一気に消えていった。
なんで、ここにいるの?
……人違い?
ううん、見間違えるなんて絶対にありえない。
「……希和……?」
四年ぶりに耳にした声、呼ばれた名前に、鼓動がドクンと大きな音を立てた。
これは、幻聴?
あの頃よりもやや低く落ち着いた声と相変わらず見惚れるほど整った面差し。
切れ長の目が驚いたように見開かれている。
ずっと頭の中で思い描いていた人を目の当たりにして、胸の奥が痛いくらいにきつく締めつけられる。
……この人を一日だって忘れた日はなかった。