再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「あ、あの、春香さん?」
「詳しく説明して」
春香さんとともに控室に入り、ソファに座るよう促される。
在庫商品を収納している棚に寄りかかった春香さんに、先ほどの出来事を順を追って話した。
「――そういえばあそこは嵯峨ホールディングスの系列会社だったわね」
「……捜していたと言われました。まさか悟己の存在を知って……?」
万が一の可能性に血の気が引く。
悟己を奪われたくない。
恋心だけではなく、息子まで取り上げられたら、もう立ち直れない。
「どうかしらね。でも希和ちゃんを捜していたのは事実だと思うわ。これまで姉さんに何回か話を聞いたのよ。確証もなかったし、下手に怯えさせたくなくて黙っていたのだけど」
女将の店にはこの四年の間、何度も彼が来店していたという。
表立って尋ねられたわけではないが、部下らしき人と私の話をしているのを数回接客の際に耳にしたそうだ。
そういえば先週杏実が蔵元先輩から連絡があったと電話で話していた。
「詳しく説明して」
春香さんとともに控室に入り、ソファに座るよう促される。
在庫商品を収納している棚に寄りかかった春香さんに、先ほどの出来事を順を追って話した。
「――そういえばあそこは嵯峨ホールディングスの系列会社だったわね」
「……捜していたと言われました。まさか悟己の存在を知って……?」
万が一の可能性に血の気が引く。
悟己を奪われたくない。
恋心だけではなく、息子まで取り上げられたら、もう立ち直れない。
「どうかしらね。でも希和ちゃんを捜していたのは事実だと思うわ。これまで姉さんに何回か話を聞いたのよ。確証もなかったし、下手に怯えさせたくなくて黙っていたのだけど」
女将の店にはこの四年の間、何度も彼が来店していたという。
表立って尋ねられたわけではないが、部下らしき人と私の話をしているのを数回接客の際に耳にしたそうだ。
そういえば先週杏実が蔵元先輩から連絡があったと電話で話していた。