再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
運ばれた部屋は寝室のようで、大きなキングサイズのベッドが部屋の中央に置かれていた。

大きな窓にはブラインドが下ろされているが、隙間から明るい日差しが差し込んでいる。


本気で抱くつもり?


声も出ず、整いすぎた面差しを見つめる。

年齢を重ねたせいか、以前より男らしさも色香も増している。

抗いようのない魅力に過去の恋心が性懲りもなく顔を出しそうで、必死に自分を戒める。


ダメよ、絶対に。


もう心を壊されたくない。


ギュッと目を瞑ると背中に柔らかな感触があり、ベッドに寝かされたのだとわかった。

放り投げるでもなく、殊更丁寧に横たえられてさらに混乱する。

恐る恐る目を開けると、苦渋の表情を浮かべる惺さんと目が合った。


「……抱かせて、希和」


懇願する声に、鼓動がひとつ大きな音を立てた。


「なん……で……」


たどたどしく問いかけると、彼が心底苦しそうな表情を浮かべた。
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