世界で1番可愛い君
「まって、やっぱ嫌いは嘘!!さよならも嘘ーーーーーっ!!!撤回!全部てっかーーーい!」

「おっと…っ、なんだよ、いきなり。忙しないやつだな…」

「……」

ムスッ、とした私にりゅうちゃんが優しいトーンで尋ねる。

「撤回して、なに?」

「…っ、ただ、……撤回しただけだし」

「へー?」

なんか……

「……」

りゅうちゃんが、私を……

「……」

ジー…と見てる……。

「なに!」

1発怒鳴ると、りゅうちゃんは余裕そうに
私の頭をポンッ、と手を置いた。

「ヤキモチ嬉しいよ。ありがとな?」

~~~~~~~っ!!!

優しく微笑むりゅうちゃんに心臓がドクン!と跳ねた。

でも、ちょっと欲張りになってもいいの……かな。

「りゅうちゃん……っ」

「ん?」

「……私のこと、って…その、……か。、かわいい、って思う……っ?」

「なんだよ……、いきなり」

「だって…知りたいんだもん…」

視線をさ迷わせてなんとか答える。

口から飛び出そう…。心臓が……。

「……」

下唇を噛んで返事を待っていると、頭に置かれていた手が離されて今度はほっぺをむにー、ってされた。

超至近距離で目線を無理やり合わせられてまた心臓が跳ねる。
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