ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
きょとんとした顔を向けられハッとする。
“な、何を言ってるの私ッ!”
初対面の相手に突然好きになれ、なんて言われてもぶっちゃけ気持ち悪いだけ。
やらかした、完全に不審者。
「ち、ちがっ、今のはですね!?」
ひえぇ、と青ざめながらなんとか誤魔化そうと両手を顔の前に突きだしブンブンと振っていると、突然そのイケメンが私の前にしゃがみ突きだした手を捕まえる。
「メルヴィ・ゲルベルクです」
「……え、ゲルベルクって……」
聞き覚えのある単語に青くなった顔色がより青くなったような気がした。
それもそのはず、この国は『メルゲルベルク』。
初代皇帝の戦友だった魔法使いのメルと、その初代皇帝の姓であるゲルベルクを合わせて名付けられていて。
“王族は代々ゲルベルクの姓を継ぎ、そして王太子となる第一子はメルの名を継ぐって聞いたことあるんだけど”
「ま、まさか」
「美しいご令嬢、どうか私の妻になってください」
「無理ですけど!?」
反射的に拒絶するが、目の前のイケメンは私の手を握ったまま離してくれない。
まずい、これは非常にまずい。
“な、何を言ってるの私ッ!”
初対面の相手に突然好きになれ、なんて言われてもぶっちゃけ気持ち悪いだけ。
やらかした、完全に不審者。
「ち、ちがっ、今のはですね!?」
ひえぇ、と青ざめながらなんとか誤魔化そうと両手を顔の前に突きだしブンブンと振っていると、突然そのイケメンが私の前にしゃがみ突きだした手を捕まえる。
「メルヴィ・ゲルベルクです」
「……え、ゲルベルクって……」
聞き覚えのある単語に青くなった顔色がより青くなったような気がした。
それもそのはず、この国は『メルゲルベルク』。
初代皇帝の戦友だった魔法使いのメルと、その初代皇帝の姓であるゲルベルクを合わせて名付けられていて。
“王族は代々ゲルベルクの姓を継ぎ、そして王太子となる第一子はメルの名を継ぐって聞いたことあるんだけど”
「ま、まさか」
「美しいご令嬢、どうか私の妻になってください」
「無理ですけど!?」
反射的に拒絶するが、目の前のイケメンは私の手を握ったまま離してくれない。
まずい、これは非常にまずい。