ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
13.それは私への贈り物で
“確かに『着る場面を作ろうか』って言っていたし”
オーダーメイドよりかは安いとは思うが、そもそも王家御用達の高級店の一点モノのドレス。
“着たいとも思ったけど……”
「ま、まさか本当に夜会が開かれることになるだなんて」
「ふふ、私はリリアナ様の準備のお手伝いが出来てとても嬉しいですよ」
「エッダ、苦しい、そんなにコルセットを締められると食べ物が何も入らないわ……!」
「もう少しお締めいたしますね」
「エッダぁ!!?」
にこやかにギリギリとコルセットを更に締められた私が思わず声を荒げた。
まるで苦行のような時間をなんとか乗り切り、詰め込めるだけの酸素を肺に送り込んでいると、今度は私の化粧をするべくエッダが近くにしゃがみ込む。
「でも、こんな大きな夜会とか聞いてない、欠席したいぃ!」
「実は私、いつかこうやってお嬢様を着飾るのが夢だったんです」
そして泣き言を漏らしていた私に、エッダはそう言ったのだった。
“お嬢様を……”
「私でごめんね」
本心から出た言葉だった。
何故なら私はただの魔女であり、彼女の望むような貴族の令嬢とはやはり違う。
オーダーメイドよりかは安いとは思うが、そもそも王家御用達の高級店の一点モノのドレス。
“着たいとも思ったけど……”
「ま、まさか本当に夜会が開かれることになるだなんて」
「ふふ、私はリリアナ様の準備のお手伝いが出来てとても嬉しいですよ」
「エッダ、苦しい、そんなにコルセットを締められると食べ物が何も入らないわ……!」
「もう少しお締めいたしますね」
「エッダぁ!!?」
にこやかにギリギリとコルセットを更に締められた私が思わず声を荒げた。
まるで苦行のような時間をなんとか乗り切り、詰め込めるだけの酸素を肺に送り込んでいると、今度は私の化粧をするべくエッダが近くにしゃがみ込む。
「でも、こんな大きな夜会とか聞いてない、欠席したいぃ!」
「実は私、いつかこうやってお嬢様を着飾るのが夢だったんです」
そして泣き言を漏らしていた私に、エッダはそう言ったのだった。
“お嬢様を……”
「私でごめんね」
本心から出た言葉だった。
何故なら私はただの魔女であり、彼女の望むような貴族の令嬢とはやはり違う。