ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「メルヴィが持ってきてくれたネモフィラは全部使ってしまったの?」
“結構沢山持ってきてくれたと思ったのだけれど”
思わず小首を傾げると、エッダはゆっくり首を左右に振って。
「いいえ、半分も使っておりません」
「なら……」
「ですが、あの花は殿下がリリアナ様の為にと持ってきてくださった花でございます。いくら説明のためとはいえ私が髪に挿すことは許されません」
きっぱりとそう断言したエッダは、すぐにいつもの穏やかな笑みを顔に浮かべた。
「大切な贈り物です。使わなかった分は後程寝室へお持ちしておきますね」
“メルヴィからの、贈り物……”
改めてそう告げられると、可愛いと思った花が突然愛しいものに変わったような、そんな気さえして。
「……ん、ありがとう」
私は素直にお礼を言ったのだった。
エッダから髪に花を編み込む方法を教えて貰っていると、再び扉がノックされてメルヴィが入ってくる。
「もうお仕事大丈夫なの?」
「あぁ。ちょっとした打ち合わせだったからもう問題ないよ」
本当に何でもないことだったかのようにそう口にしたメルヴィが、私の前で腕を出す。
“結構沢山持ってきてくれたと思ったのだけれど”
思わず小首を傾げると、エッダはゆっくり首を左右に振って。
「いいえ、半分も使っておりません」
「なら……」
「ですが、あの花は殿下がリリアナ様の為にと持ってきてくださった花でございます。いくら説明のためとはいえ私が髪に挿すことは許されません」
きっぱりとそう断言したエッダは、すぐにいつもの穏やかな笑みを顔に浮かべた。
「大切な贈り物です。使わなかった分は後程寝室へお持ちしておきますね」
“メルヴィからの、贈り物……”
改めてそう告げられると、可愛いと思った花が突然愛しいものに変わったような、そんな気さえして。
「……ん、ありがとう」
私は素直にお礼を言ったのだった。
エッダから髪に花を編み込む方法を教えて貰っていると、再び扉がノックされてメルヴィが入ってくる。
「もうお仕事大丈夫なの?」
「あぁ。ちょっとした打ち合わせだったからもう問題ないよ」
本当に何でもないことだったかのようにそう口にしたメルヴィが、私の前で腕を出す。