ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「そもそも夜会なんて開かなければ良かったんじゃ」
「ドレス、着る場所ないって言ってたからさ」
「それだけの為に!?」

 別に二人だけでお茶会とやらをする、とかでも着れただろうに、何故こんな大それたことになってしまったのかと思わず頭を抱えた。

 そんな私へ追い討ちをかけるようにメルヴィがそっと耳元へ顔を近付けて。


「これだけの人に牽制すれば当分は安泰だ」
「なッ」
「それに、これだけ大々的に発表したんだ、どこで手を繋ぎどこで口付けても問題にならないね」
「なりますけど!?」
「なんで?」
「な、だ、だってその、み、未来の恋人なんですよね!」
「じゃあ今すぐ恋人になってくれる?」
「~~ッ!」

“も、問題しかないんですけど!?”

 この現状に、私の視界が真っ暗になったような気がしたのだった。


 そんなくだらない――改めて、決意表明をした後は、予想通り陛下へまず挨拶に伺うことになって。


「本当にすまないね、メルヴィが我が儘を言うのが初めてだったから……」
「い、いえそんな、私は別にっ」
「確か君は魔女だったね」

“!”

 全体的に見れば魔女の数は少なくない。
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