ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
側近ならば、きっと私が詳しい内容も聞かされずこの夜会に出たことを知っているはず。
ならば状況的にここから逃げようと王太子を人質に取ったように見えているのでは……と考えた私は真っ青になって窓から屋根に登ろうとしている側近を見て青ざめた。
「ふはっ、それはいいな。いっそ拐ってくれますか、お姫様?」
「王子を拐う勇気はないので帰ってくれますか」
「残念ながら返品不可です」
「返品先はあるようですけど!」
バッと勢いよくダニエルを指差すと、とうとうメルヴィの腹筋が崩壊したのかケラケラと笑い出す。
“下から見えてなくても笑い声は響いてるわよ!”
仮面はいいのか王太子、と文句を言おうと私が口を開いたその時だった。
――ズズ、と突然ソファが傾き唖然とする。
「ッ!?」
「リリ!」
あ、と思った時にはぎゅっと私を庇うようにメルヴィの腕の中へ閉じ込められていて。
「で、殿下!」
「……ッ、大丈夫だ、だが何がきっかけでまたソファが動くかわからない。危ないからダニエルは屋根に上がってくるな」
「ですが」
「こっちは問題ない」
ならば状況的にここから逃げようと王太子を人質に取ったように見えているのでは……と考えた私は真っ青になって窓から屋根に登ろうとしている側近を見て青ざめた。
「ふはっ、それはいいな。いっそ拐ってくれますか、お姫様?」
「王子を拐う勇気はないので帰ってくれますか」
「残念ながら返品不可です」
「返品先はあるようですけど!」
バッと勢いよくダニエルを指差すと、とうとうメルヴィの腹筋が崩壊したのかケラケラと笑い出す。
“下から見えてなくても笑い声は響いてるわよ!”
仮面はいいのか王太子、と文句を言おうと私が口を開いたその時だった。
――ズズ、と突然ソファが傾き唖然とする。
「ッ!?」
「リリ!」
あ、と思った時にはぎゅっと私を庇うようにメルヴィの腕の中へ閉じ込められていて。
「で、殿下!」
「……ッ、大丈夫だ、だが何がきっかけでまたソファが動くかわからない。危ないからダニエルは屋根に上がってくるな」
「ですが」
「こっちは問題ない」