ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「そう? なら俺の作戦勝ちだね」
 
“それにもう何度も繋いだもの”

 当たり前のように手を繋いだ私たちは、エッダに手を振り部屋を出た私たち。

 以前は周りの視線を気にして手を繋ぐ時は辺りを確認していたものだが、未来の恋人だと大々的に発表されてしまった今は手を繋いでいようといまいとどうせ後ろ指を指される。

“祝福されるのが理想だったけど”

 相手が魔女の私では仕方ない。
 何故なら魔女は、魔女の性に抗えないからだ。

「……あの師匠だって、とうとう出ていってしまったんだもの」

 ずっと同じ場所にいる変わり者として有名だった師匠。
 その師匠だって、真実は興味があるものがあったからずっといただけであり、そして新たな興味を見つけあっさりと、そして唐突に出ていった。

 それが魔女というものだから。

“この国の人からすれば、私がもし本当に恋人になり、そして王太子妃になれば……”

 いつ消えるかもわからない爆弾のような妃が誕生してしまう。
 それだけではない、魔女が妃となるということは、その子供も魔女の血を継ぐということなのだから。

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