ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける

24.私の魔法は成功していましたか

「答え合わせをしましょう」
「答え合わせ?」

 私の提案を聞いたメルヴィが口を開く。
 やっと返って来た彼からの言葉に、私は胸の奥を躍らせた。

「そうよ! 答え合わせ。幼い私たちの精一杯を、探すのよ」

 俯き振り向きもしてくれない彼が、まるで拗ねてしまった幼い子供のように見えて堪らない。

“可愛いと思うなんて私末期ね”

 窓枠に両肘を置き少しだけ乗り出すようにして窓の外に座っている彼を見つめる。
 縮こまって座ったまま俯いているせいで、普段の身長差では絶対見れないそのつむじや項を眺めていると、その不安定な彼を愛おしく感じた。


「……あの時、酷いことを言ってごめんね」
「あの時?」
「知らなかったとはいえ、メルヴィの気持ちを考えてない発言だったわ」

 私の遠回しの話を聞き、本当に初めて会った時の会話のことだと察したらしい。
 一瞬肩をビクリと跳ねさせたメルヴィは、やはり私の方へ振り向くことなく首を振った。

「リリは知らなかったんだ。それに過敏になっていたとはいえ大人げない行動だった」
「あら。あの時は子供だったじゃない」
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