ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
 例えば種蒔き。「芽吹け」と純血の魔法使いが願えば一瞬で花開き、反対に血が薄い者が願っても芽が出る程度。

 
「お前の母は魔女の血が濃かった。だからお前を置いて出てったんだろ?」
「うぐっ」
「つまりお前の血だってそれなりには濃い。なのに何にも発動出来ないのは、集中力が無いからだ」

 
“いくら私が二十歳でもう子供じゃないからって、言っていいことと悪いことがあるんじゃない!?”

 一般的にかなり傷を抉る発言をザックザクと投げつける師匠は、これで悪気がないのだから始末に負えない。


「母が私を捨てたのは、私が可愛くなかったからですよ」
「いや、魔女の習性だ。リリアナだって知ってるだろう、魔女には呪いのような強い好奇心が存在するということを」
「それは……」

 魔女には逆らえない習性があった。
 それは抑えきれない好奇心。

 興味が沸いたらとことん調べずにはいられず、どうなるのだろう、という好奇心から逃れられない。

 試したくて、知りたくて、気になって。
 
 魔女の血が濃いほどその好奇心は強く、旅人として興味がそそられるまま世界を歩き回るのが一般的。
 
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