ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
 ぬるりと溶けた石鹸がなくても恥ずかしいほど愛液が滴るが、そんなことを考える余裕なんてない私は喘ぎながら彼の体に必死にしがみついていた。
 その間も少しずつ抽挿する指の速度が上がる。

「イきたくなったらイッていいから」

 激しい指の動きとは反対に穏やかな笑顔を向けたメルヴィは、再び私の胸へと顔を埋めカリッと乳首を甘噛みして。

「――――ッ!」

 一際大きな快感が私を襲い、がくがくと腰が震える。
 まるで視界が真っ白に染まったような錯覚を感じた私は、一気に力が抜けてがくりと彼の胸へともたれかかった。


「……ほんと、可愛すぎる」

 楽しそうな彼の声がなんだか遠い。
 自分に向けられた言葉だとわかっているのにぼんやりとした私はどこか遠いところで話しているのかと思ったほどだった。

 放心している私の背中に腕を回したメルヴィがゆっくりとベッドへ横たわらせる。
 宝物に触れるようにされ、なんだか不思議な感覚だと彼の行動をただただ眺めていると、今度は唐突に彼が私の両足を左右に開き、よりにもよって顔を埋めた。

「ひ……っ!」
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