ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「「喧嘩なんてしていない」」
「こんな時だけぴったりなの?」
同じ言葉を同時に話した二人に驚き目を瞠ると、二人が私の方をぎょっとして見て。
「「ぴったりじゃない」」
「どう聞いてもぴったりでしょ」
更にシンクロした二人に思わず呆れたため息が溢れた。
“思ったより気が合うのかしら”
二十二歳のメルヴィと二十六歳の師匠。
年齢も近く二人とも私より年上の青年だが、こうやってくだらない言い合いをしているとまだ少年のようで呆れつつもどこか微笑ましくも感じてしまう。
「もう帰ってこないんですか?」
「この地に興味が惹かれれば戻るだろう」
今日は次の鉱山へ出発する師匠の旅立ちの日。
気になる鉱山があるからと突然言い出したあの日の師匠は、連れて行ってと願った私へ魔法を使えるようになっておくという宿題を言い残し行ってしまった。
そして迎えに来てくれた師匠に、私はこの国に残るとそう告げて。
「この家は、リリアナの家でもある。いつでも帰ってくるといい」
「えぇ。そして師匠の家でもあります。だから、いつでも帰ってきてください」
「こんな時だけぴったりなの?」
同じ言葉を同時に話した二人に驚き目を瞠ると、二人が私の方をぎょっとして見て。
「「ぴったりじゃない」」
「どう聞いてもぴったりでしょ」
更にシンクロした二人に思わず呆れたため息が溢れた。
“思ったより気が合うのかしら”
二十二歳のメルヴィと二十六歳の師匠。
年齢も近く二人とも私より年上の青年だが、こうやってくだらない言い合いをしているとまだ少年のようで呆れつつもどこか微笑ましくも感じてしまう。
「もう帰ってこないんですか?」
「この地に興味が惹かれれば戻るだろう」
今日は次の鉱山へ出発する師匠の旅立ちの日。
気になる鉱山があるからと突然言い出したあの日の師匠は、連れて行ってと願った私へ魔法を使えるようになっておくという宿題を言い残し行ってしまった。
そして迎えに来てくれた師匠に、私はこの国に残るとそう告げて。
「この家は、リリアナの家でもある。いつでも帰ってくるといい」
「えぇ。そして師匠の家でもあります。だから、いつでも帰ってきてください」