ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
慌てておかしな行動を繰り返す私に心配そうなメルヴィが声をかけるが正直今はそれどころじゃない。
「ちょ、師匠!? この壁って与えられた宿題が達成したら解除されるんじゃないんですか!?」
「その通りだ」
「じゃあなんで入れないんです!?」
焦る私とは反対に、どこか優雅にも思えるようなのんびりした動きで顎に手を当て首をひねった師匠。
「……単純にリリアナが俺の宿題を達成していない、ということだろう」
「そんなばかな!」
確かに私は魔法を使えるようになったはずだ。
その証拠に今も王城の屋根にはソファが引っかかったままである。
“魔法が成功する時と失敗する時の違いだって把握したし、発動条件だってわかったのに!”
まさかメルヴィありきの魔法では不完全だとこの壁は言っているのだろうか、と気付いた私はくらりと眩暈を起こした。
「リリ!?」
ふらついた私を慌てて支えてくれたメルヴィの腕にひしっとしがみつく。
「私、ぽんこつ魔女は卒業してもまだ半人前だったみたい」
愕然としてそう告げると、いつもどこか無表情な師匠がははっと大きな笑い声をあげて驚いた。
「ちょ、師匠!? この壁って与えられた宿題が達成したら解除されるんじゃないんですか!?」
「その通りだ」
「じゃあなんで入れないんです!?」
焦る私とは反対に、どこか優雅にも思えるようなのんびりした動きで顎に手を当て首をひねった師匠。
「……単純にリリアナが俺の宿題を達成していない、ということだろう」
「そんなばかな!」
確かに私は魔法を使えるようになったはずだ。
その証拠に今も王城の屋根にはソファが引っかかったままである。
“魔法が成功する時と失敗する時の違いだって把握したし、発動条件だってわかったのに!”
まさかメルヴィありきの魔法では不完全だとこの壁は言っているのだろうか、と気付いた私はくらりと眩暈を起こした。
「リリ!?」
ふらついた私を慌てて支えてくれたメルヴィの腕にひしっとしがみつく。
「私、ぽんこつ魔女は卒業してもまだ半人前だったみたい」
愕然としてそう告げると、いつもどこか無表情な師匠がははっと大きな笑い声をあげて驚いた。