ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
4.決してこれは嫉妬じゃないけど
「ここら辺は休憩室だね。夜会で疲れた人たちが休めるようになっていて、男女別だから中の家具もそれぞれで変えているんだ」
「こっちは女性用ですか? 花瓶がいっぱい」
「いや、男性用だよ。花を渡そうとして断られた時に入れれるよう、花瓶が多めに置かれてる」
「うわぁ、世知辛い……」
“でも言われてみれば、ソファは皮張りだしシンプルな家具が多いかも”
メルヴィが指差す通りに視線を動かし部屋を確認する。
解説しながら案内してくれるからか、一人で覗いた時には気付かなかったことが多く、それらを紐解いていくのは楽しかった。
「あ! こっちは衣装室ですよね?」
「あぁ」
色々なサイズやデザインのドレスがあった部屋を指差しながらそう言うと、ゆっくり頷いたメルヴィはにこりと微笑んで。
「折角だから着てみない?」
「えっ!」
そのまま有無を言わさぬ笑顔を張り付けたメルヴィと一緒に部屋へ入る。
“着てみない? って言われても”
正直ドレスなんて着たことのない私は当然着方すらもわからない、のだが。
「ほら、このドレスなんてどうだろう?」
「えー、私にはちょっと派手じゃありません?」
「こっちは女性用ですか? 花瓶がいっぱい」
「いや、男性用だよ。花を渡そうとして断られた時に入れれるよう、花瓶が多めに置かれてる」
「うわぁ、世知辛い……」
“でも言われてみれば、ソファは皮張りだしシンプルな家具が多いかも”
メルヴィが指差す通りに視線を動かし部屋を確認する。
解説しながら案内してくれるからか、一人で覗いた時には気付かなかったことが多く、それらを紐解いていくのは楽しかった。
「あ! こっちは衣装室ですよね?」
「あぁ」
色々なサイズやデザインのドレスがあった部屋を指差しながらそう言うと、ゆっくり頷いたメルヴィはにこりと微笑んで。
「折角だから着てみない?」
「えっ!」
そのまま有無を言わさぬ笑顔を張り付けたメルヴィと一緒に部屋へ入る。
“着てみない? って言われても”
正直ドレスなんて着たことのない私は当然着方すらもわからない、のだが。
「ほら、このドレスなんてどうだろう?」
「えー、私にはちょっと派手じゃありません?」