ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
 けれど項垂れつつも気になっていた答えを得られた私は、これも魔女の性なのだろう、好奇心が満たされたのを感じた。


「ねっ、折角だから街に遊びに行きたいわ!」
「街に、ですか?」
「私もっとエッダと仲良くなりたいもの」

 ちらっと『外に勝手に出ないように』というメルヴィの言い付けを思い出す。
 が。

“勝手に、じゃなければいいんでしょ?”

「私、メルヴィに報告してくるわ!」
「ちょ、リリアナ様!?」

 焦るエッダを無視し教えて貰っていた執務室へ向かった。


 仕事に戻ると言っていた通り、執務室で机に向かっていたメルヴィ。
 一応ノックはしたものの、返事も待たずに部屋へ入った私を彼の側近らしき人がギョッとして見てきたが、何も言われなかったことを良いことに無視をして。


「街に行ってきていいかしら!」
「ダメだよ」
「……へ?」

 当然すぐに頷いてくれると思っていただけにポカンとしてしまう。


「一人じゃないわよ? エッダと行くの」
「どうして?」
「どうしてって……」

 そんなことを聞かれても困ってしまう。
 
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