ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
ここはなんとしても家具から離れて貰わなくては、と思った私はこれまた苦し紛れに窓から外を指差した。
「ならまずは気になる色から決めたいです!」
「色?」
「そ、そうです! 部屋のコンセプトを決めるというか」
「なら尚更家具を……」
「いえ、ここは花で!」
“花なら家具よりも安いし!”
私が指差した先をじっと見つめた彼は、一応は納得してくれたのだろう。
「じゃあ、散歩がてら庭園を案内するよ」
目的が家具探しから庭園の散歩へ変わったことにホッとした私は、食べきれていなかったフルーツサラダをむしゃりと口に詰め込んだのだった。
「はい、リリ」
「……?」
私が食べ終わるまで待っていてくれたメルヴィが、腕をスッと出したのを見てぽかんとする。
“この腕は……”
「ま、まさか、巷で噂のエスコートってやつですか……?」
「どこの巷で噂なのかは知らないけれど、紛れもなくエスコートってやつだね」
呆然としながら彼の差し出された腕を見ていると、ティーワゴンに食べ終わったお皿やカップを片付けていたエッダがそっと私の腕を掴みメルヴィの腕へと添えさせて。
「!!??」
「ならまずは気になる色から決めたいです!」
「色?」
「そ、そうです! 部屋のコンセプトを決めるというか」
「なら尚更家具を……」
「いえ、ここは花で!」
“花なら家具よりも安いし!”
私が指差した先をじっと見つめた彼は、一応は納得してくれたのだろう。
「じゃあ、散歩がてら庭園を案内するよ」
目的が家具探しから庭園の散歩へ変わったことにホッとした私は、食べきれていなかったフルーツサラダをむしゃりと口に詰め込んだのだった。
「はい、リリ」
「……?」
私が食べ終わるまで待っていてくれたメルヴィが、腕をスッと出したのを見てぽかんとする。
“この腕は……”
「ま、まさか、巷で噂のエスコートってやつですか……?」
「どこの巷で噂なのかは知らないけれど、紛れもなくエスコートってやつだね」
呆然としながら彼の差し出された腕を見ていると、ティーワゴンに食べ終わったお皿やカップを片付けていたエッダがそっと私の腕を掴みメルヴィの腕へと添えさせて。
「!!??」