ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
1.そこのイケメンさん、恋してください
「ま、まさか家に入れないなんて」
封鎖だ、と言ったテオ師匠はそのまま魔法を発動させ、あっさりと私は家から追い出された。
荷物を取りたくても、見えない壁が生成されているらしく突撃してもぼよんと跳ね返されるだけ。
せめて荷物くらい準備させて欲しいと言った私をじいっと見つめた師匠は――
「リリアナが手ぶらでどうこの困難に立ち向かうのか興味がある」
「はぁっ!?」
「……じゃなくて、それくらい必死になるべきだと俺は思った」
「本音全部言った後にとってつけて言われても!」
どうやらそれも魔法使いの習性なのだろう。
ウンウンと大きく頷いてあっさり旅立ってしまった。
「自分だけ荷物バッチリのくせに~ッ!」
このまま街外れにある入れない家を見つめていても仕方ない、と王都まで来たものの全くのノープラン。
いつ帰ってくるかわからない師匠のことを考えながら思わず頭を抱えるしかなくて。
“願いの力が分散……”
『自分の願望で練習しろ』
旅立つ寸前、まるで子供に言い聞かすように言われた言葉を思い出す。
封鎖だ、と言ったテオ師匠はそのまま魔法を発動させ、あっさりと私は家から追い出された。
荷物を取りたくても、見えない壁が生成されているらしく突撃してもぼよんと跳ね返されるだけ。
せめて荷物くらい準備させて欲しいと言った私をじいっと見つめた師匠は――
「リリアナが手ぶらでどうこの困難に立ち向かうのか興味がある」
「はぁっ!?」
「……じゃなくて、それくらい必死になるべきだと俺は思った」
「本音全部言った後にとってつけて言われても!」
どうやらそれも魔法使いの習性なのだろう。
ウンウンと大きく頷いてあっさり旅立ってしまった。
「自分だけ荷物バッチリのくせに~ッ!」
このまま街外れにある入れない家を見つめていても仕方ない、と王都まで来たものの全くのノープラン。
いつ帰ってくるかわからない師匠のことを考えながら思わず頭を抱えるしかなくて。
“願いの力が分散……”
『自分の願望で練習しろ』
旅立つ寸前、まるで子供に言い聞かすように言われた言葉を思い出す。