ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「ははっ、その選択肢は売り切れだったみたいだね」
「買い占めたの誰よ!」
「あはは」
軽快に笑い飛ばすメルヴィに呆れつつ、それでも笑っている彼を見ていると少し落ち込んだ気持ちが浮上した。
くだらない話を、くだらないからこそ楽しみながらメルヴィと手を繋いで街を歩く。
前回は石鹸のお店しか見れなかったこともあり、うきうきとした気分で並ぶ店たちへ視線を動かせいていると、あるお店に目が留まった。
「ドレス……」
「入ってみる?」
そういやあの時は結局試着しなかったな、くらいの軽い気持ちだったのだが、私がドレスに興味を持ったと思ったのだろうか。
相変わらずにこにこと笑っている彼の瞳が一段ときらめいて。
「紺色のドレスを贈ろうね」
「着る場面がないんで!」
「なら着る場面を作ろうか」
「着る場面を作ろうか!?」
ずるずると引きずるように店内に入る。
半強制的に足を踏み入れた私は、外からチラッと見えたよりもずっと格式高そうな店内に完全に委縮する。
“こんな格好で入ってもいいの? お、怒られそうなんだけど!”
「買い占めたの誰よ!」
「あはは」
軽快に笑い飛ばすメルヴィに呆れつつ、それでも笑っている彼を見ていると少し落ち込んだ気持ちが浮上した。
くだらない話を、くだらないからこそ楽しみながらメルヴィと手を繋いで街を歩く。
前回は石鹸のお店しか見れなかったこともあり、うきうきとした気分で並ぶ店たちへ視線を動かせいていると、あるお店に目が留まった。
「ドレス……」
「入ってみる?」
そういやあの時は結局試着しなかったな、くらいの軽い気持ちだったのだが、私がドレスに興味を持ったと思ったのだろうか。
相変わらずにこにこと笑っている彼の瞳が一段ときらめいて。
「紺色のドレスを贈ろうね」
「着る場面がないんで!」
「なら着る場面を作ろうか」
「着る場面を作ろうか!?」
ずるずると引きずるように店内に入る。
半強制的に足を踏み入れた私は、外からチラッと見えたよりもずっと格式高そうな店内に完全に委縮する。
“こんな格好で入ってもいいの? お、怒られそうなんだけど!”