【コンテスト作品】初めての恋の相手はファーストキスを奪った御曹司でした。


 え……? これって……ちょっと進展したってことでいいのか?
 そういうことで……いいのか?

「奏音……それって?」

「か、勘違いしないでください。……別に、百合原さんに言われたからじゃありませんからっ」

 ははっ……これはツンデレだな。

「最高の恋愛……教えくれるんですよね?私に」

 そう、俺と奏音は最高の恋をする。

「ああ、奏音も知りたいだろ?俺との最高の恋」

「私、恋愛に興味ないですけど……。でもそんなに教えたいと言うのなら、教えてもらってあげてもいいです」

「教えてあげてもらってもいい、か。……まあ、教えてもらえよ、素直にさ」

 奏音の肩を抱くと、奏音は俺の手を振り払う。

「百合原さんはどうして……私と恋愛したいと思うんですか」

 唐突にそんなことを言われて、びっくりした。

「私みたいな、恋愛初心者なんかと恋愛したって……全然楽しくないと、思うんですけど」

 こうやって自分を否定する所も、恋愛初心者だからなんだろうな。

「そうやって自分を否定するようなこと、言うな」

「え……?」

「俺は奏音と恋愛することが、楽しみで仕方ないけどね。 だって奏音の色んな初めてを、一緒に経験出来るだろ?」

 それって、幸せなことだと思う。
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