【コンテスト作品】初めての恋の相手はファーストキスを奪った御曹司でした。
◎後戻りをしたい女子×進みたい御曹司
【後戻りなんてさせたくない〜久遠目線〜】



 十月が終わりを迎えるまで、後ニ週間ほどだ。この時期になると、クリスマスに向けた商品を開発するための会議が行われている。
 今日は奏音と会う約束をした。 そこで俺は、クリスマスの日に奏音と二人で過ごしたいということを伝えるつもりだ。
 奏音と一緒に、クリスマスを過ごせればいいな。

 もちろん、奏音がそれを受け入れてくれるかなんて分からないし、受け入れてもらえない可能性もあることを考えていなかければならない。
 奏音は少しずつだけど、俺のことを知ってくれるようになっていたけど、まだどこかに壁があるのか、必要以上のことは話してはくれない。

 だからなのか分からないが、最近連絡をしても、素っ気ない気がしている。 俺の勘違いかもしれないが、なんとなくそう思う。
 俺のことを避けているという訳ではないのだが、なんとなくそう感じる時がある。
 その答えが、今日分かるといいのだが……。
 
「久遠、ちょっといいか」

「なんですか、社長」

 俺の父親は、有名な洋菓子店を営んでいる。社長兼パティシエではあるが、日々新しい新作のケーキを生み出している。
 大人気のガトーショコラで、金賞を取ったこともある。
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