新人洗濯係がのぞいた秘め事~王太子の秘密を暴いた先にあるのは溺愛か死か~
* * *
数日後、リエーヌはまた洗濯物に汚れを見つけて首をかしげた。
「アデリーンさん、これ……」
この前と同じく銀糸の刺繍のあるシーツに、赤い染みができていた。
「あらあら。王太子妃様、月のものかしらね」
アデリーンはひょいとつかんで手洗いに仕分けした。
「でも……」
リエーヌはいぶかしむ。それにしては違和感がある。何か小さな塊のようなものもついていた。
そんな彼女に気付いて、アデリーンは向き直る。
「いいかい、リエーヌ。私たちは洗濯だけしていればいいの。余計な詮索はするんじゃないよ。仕事をなくすよ」
「……はい」
リエーヌは疑問を飲み込んだ。
洗濯は重労働で、嫌がられる仕事だ。
だから身分の低い庶民の彼女がこうして王宮で働くことができるのだ。
まだ幼い弟妹のためにも、彼女が働いて家族に仕送りしなくてはならない。仕事を失うわけにはいかない。
リエーヌは黙って次の洗濯物を手に取った。
数日後、リエーヌはまた洗濯物に汚れを見つけて首をかしげた。
「アデリーンさん、これ……」
この前と同じく銀糸の刺繍のあるシーツに、赤い染みができていた。
「あらあら。王太子妃様、月のものかしらね」
アデリーンはひょいとつかんで手洗いに仕分けした。
「でも……」
リエーヌはいぶかしむ。それにしては違和感がある。何か小さな塊のようなものもついていた。
そんな彼女に気付いて、アデリーンは向き直る。
「いいかい、リエーヌ。私たちは洗濯だけしていればいいの。余計な詮索はするんじゃないよ。仕事をなくすよ」
「……はい」
リエーヌは疑問を飲み込んだ。
洗濯は重労働で、嫌がられる仕事だ。
だから身分の低い庶民の彼女がこうして王宮で働くことができるのだ。
まだ幼い弟妹のためにも、彼女が働いて家族に仕送りしなくてはならない。仕事を失うわけにはいかない。
リエーヌは黙って次の洗濯物を手に取った。