ハロウィン・マジック
【01.】幼なじみは、遠い人
「それでは、
修学旅行の最終打ち合わせを初めてください」
先生のそんな声が聞こえても。
私、三森由奈は、
ボーッと窓の外を見つめることしか出来なくて。
まさに、黄昏てるなんてこのこと。
そう言わんばかりの私の姿。
ボーッとしたままでいると...............
-----------------ドンッ!
「ゆ〜なっ!」
名前を呼ばれながら、
勢いまかせに抱きつかれた。
「ぅ、柚音ちゃん、」
私に抱きついてきたのは、
井川柚音ちゃん。
幼稚園も、小学校も、中学校も、高校も。
ぜんぶ1つしかないこの島で、
子供の頃から一緒に育った幼なじみ。
それを言っちゃうと、
柚音ちゃんだけじゃなくてクラス全員。
ううん。
全校生徒が幼なじみのようなものだけど。
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