ハロウィン・マジック
「もうすぐ修学旅行なのに、
由奈ってば、まーた、考えごと??」
私のことをジッと覗き込んで、
分かったような口ぶりの柚音ちゃん。
実際、1番仲良い女の子は、
柚音ちゃんだから、分かってるのも当たり前。
「ぅ、うん。まぁ、考えごと.........っ。
むしろ、修学旅行だから考えごと、かな」
そう、控えめに言葉を落とした。
そして...........................
「香坂泉澄先輩、でしょ?」
すぐさま、〝分かってる〟と、
言わんばかりに尋ねてきた柚音ちゃん。
「っ、うんっ、」
むかし、むかし、
私、三森由奈には、
──────幼なじみがいた。
名前は、香坂泉澄くん。
柚音ちゃんよりも過ごした時間が長くて。