ハロウィン・マジック
「うん。いまは、特別ルール」
そう口にして、隙を狙ったように。
──────ちゅっと。
私の頬に、ナチュラルに落とされた温もり。
絶対、慣れてる...............って思うのに。
「由奈が本気で嫌なら、
俺のこと、蹴飛ばしてでも止めて。
でも、由奈がいいなら俺はキスしたい」
そんな言葉で、いとも簡単に、
私をドキドキされちゃう泉澄くん。
泉澄くんの視線が熱すぎて。
「............んっ、」
─────私は静かに泉澄くんを受け入れた。
その口付けのあと。
「いっ、泉澄くんっ‼︎これじゃ、
〝ハロウィン・マジック〟じゃなくて、
〝ドキドキ・マジック〟だよ!!!!!」
予想と違う、
〝ハロウィン・マジック〟に大混乱の私は。
泉澄くんの目の前で、そう叫ぶと。
再び、
くちびるを塞がれたのは言うまでもない。
fin.