青空の下、きみと一緒に。
全校生徒の入場行進と準備体操の後、すぐに競技が始まった。


私が出る種目はまだだから、応援席で待っていようと自分の席に座ったとたん。


「水科さん、ちょっと来て」


いきなり同じクラスの一軍女子グループに、応援席の裏に行くように指図されてしまった。


派手で強気で、教室でもかなり目立っていて、何故かクラス対抗リレーで張り切っている。


――というか、1位をとることにこだわっている彼女たちは、ここ最近、クラスで一番足の遅い私に対しての当たりがものすごく強い。


特に今は不機嫌をまき散らしているから余計に関わりたくないんだけど、だからといって無視したら、面倒くさいことになりそうだし……。


「な、なに……?」


こっちが下手に出た瞬間、「リレーのことなんだけどさ」と冷たい返事を吐き捨てられた。


「水科さん、今日こそはちゃんとやる気出して走ってよね」

「そうだよ。みんなで1位取るって決めたんだから、ちゃんと協力して!」

「これ以上、真面目に頑張ってるクラスのみんなの足を引っ張るのだけは本当にやめて」


一軍女子たちの言葉がナイフになって、私の心にグサグサ突き刺さる。

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