教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
「私の祖父母ですか……?」
抱きしめられたエレノアは泣きそうになりながらも、二人に尋ねる。尋ねなくてもわかった。だって、二人はシスターにそっくりだから。
「ああ、エレノア! 生きていてくれて良かった!」
「君がカーメレン騎士団長様と結婚していると聞いた時は驚いたけど、本当に良かった!」
二人は涙を流しながらもエレノアを抱きしめてくれた。
イザークをちらりと見れば、エレノアを優しい表情で見守っていた。
(もう、この人は……本当に、私の気持ちばかり救ってくれる)
スミス伯爵領に連れて来てくれ、血縁である祖父母に連絡を取ってくれていた。イザークの行動に、エレノアは嬉しさで涙が滲む。
それから二人に促され、孤児院の中に入った。
孤児院は建て直されたらしく、新しい木の匂いがした。入口にはミモザが飾られている。花は季節ではないため、緑の葉だけが残っている。
「カーメレン公爵家が尽力してくださったのよ」
入口のミモザに目を留めていると、祖母が優しい笑顔でエレノアに教えてくれた。
「イザーク様?」
「俺の妻の実家だ。協力して当然だ」
エレノアが見やれば、イザークは当然のような顔をしてさらっと言ってのける。
「あ、ありがとうございます……」
エレノアは顔を赤くしながらもイザークにお礼を言うと、イザークは満足そうに目を細めた。
「ふふ、エレノア、本当に幸せになれたんだね」
孤児院のダイニングに足を踏み入れると、お茶の準備をしていたモナが笑顔で出迎える。
「モナ?!」
「エレノア! 私、ここの孤児院でシスターをすることになったの!」
「ええ? ほんと?!」
教会の地下で再会した時は、お互いにボロボロだった。今度は元気な姿で再会出来たことに二人は喜び、抱きしめ合った。
「まあまあ、皆、席について」
喜び騒ぐエレノアとモナに、祖母が声をかける。
皆が席につき、モナがお茶をセットしてくれた。モナは席にはつかず、少し離れて壁際に立った。
「エレノア、改めて、君は私たちの孫なんだよ」
一息ついた所で祖父が口を開いた。
「リリアンは王弟殿下の子を身籠っていた。しかし殿下は、教会に暗殺されてしまった」
あらかじめイザークに話を聞いていたエレノアは、落ち着いて頷く。
「身を案じたリリアンは、結婚をすることになったと偽り、教会を辞する要求をした」
「教会に二人の関係はバレていなかったと聞きましたが」
「ああ。だからこそリリアンは殺されずに済んだ。そして教会はリリアンが辞める条件として、彼女の力を望んだ」
祖父とイザークが会話を交わしながらも、シスターが何故教会を辞めたか語られていく。
「力とは、聖女の力を見抜くものですか?」
「……知っておられたのですか」
「弟が、教会はそのような力を持っていると仮説を立てておりましたので」
イザークの言葉に、祖父は覚悟を決めた表情で続けた。
「リリアンには聖女の素質を見抜ける力がありました。そして、身分の低い者たちを集め、貴族の令嬢を聖女として立たせるためにその力を利用してきたのです」
抱きしめられたエレノアは泣きそうになりながらも、二人に尋ねる。尋ねなくてもわかった。だって、二人はシスターにそっくりだから。
「ああ、エレノア! 生きていてくれて良かった!」
「君がカーメレン騎士団長様と結婚していると聞いた時は驚いたけど、本当に良かった!」
二人は涙を流しながらもエレノアを抱きしめてくれた。
イザークをちらりと見れば、エレノアを優しい表情で見守っていた。
(もう、この人は……本当に、私の気持ちばかり救ってくれる)
スミス伯爵領に連れて来てくれ、血縁である祖父母に連絡を取ってくれていた。イザークの行動に、エレノアは嬉しさで涙が滲む。
それから二人に促され、孤児院の中に入った。
孤児院は建て直されたらしく、新しい木の匂いがした。入口にはミモザが飾られている。花は季節ではないため、緑の葉だけが残っている。
「カーメレン公爵家が尽力してくださったのよ」
入口のミモザに目を留めていると、祖母が優しい笑顔でエレノアに教えてくれた。
「イザーク様?」
「俺の妻の実家だ。協力して当然だ」
エレノアが見やれば、イザークは当然のような顔をしてさらっと言ってのける。
「あ、ありがとうございます……」
エレノアは顔を赤くしながらもイザークにお礼を言うと、イザークは満足そうに目を細めた。
「ふふ、エレノア、本当に幸せになれたんだね」
孤児院のダイニングに足を踏み入れると、お茶の準備をしていたモナが笑顔で出迎える。
「モナ?!」
「エレノア! 私、ここの孤児院でシスターをすることになったの!」
「ええ? ほんと?!」
教会の地下で再会した時は、お互いにボロボロだった。今度は元気な姿で再会出来たことに二人は喜び、抱きしめ合った。
「まあまあ、皆、席について」
喜び騒ぐエレノアとモナに、祖母が声をかける。
皆が席につき、モナがお茶をセットしてくれた。モナは席にはつかず、少し離れて壁際に立った。
「エレノア、改めて、君は私たちの孫なんだよ」
一息ついた所で祖父が口を開いた。
「リリアンは王弟殿下の子を身籠っていた。しかし殿下は、教会に暗殺されてしまった」
あらかじめイザークに話を聞いていたエレノアは、落ち着いて頷く。
「身を案じたリリアンは、結婚をすることになったと偽り、教会を辞する要求をした」
「教会に二人の関係はバレていなかったと聞きましたが」
「ああ。だからこそリリアンは殺されずに済んだ。そして教会はリリアンが辞める条件として、彼女の力を望んだ」
祖父とイザークが会話を交わしながらも、シスターが何故教会を辞めたか語られていく。
「力とは、聖女の力を見抜くものですか?」
「……知っておられたのですか」
「弟が、教会はそのような力を持っていると仮説を立てておりましたので」
イザークの言葉に、祖父は覚悟を決めた表情で続けた。
「リリアンには聖女の素質を見抜ける力がありました。そして、身分の低い者たちを集め、貴族の令嬢を聖女として立たせるためにその力を利用してきたのです」