教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
「ザーク様、子供の言うことですから……」
こんな日までエマにからかわれるイザークに、エレノアはクスクス笑いながら言う。
「子供でも男は男だ」
「サミュもそんなこと言ってましたね」
「サミュが?」
マルシャに「お嫁さんにしてやる!」と言われた時のことをエレノアが話すと、イザークの顔は増々険しくなっていった。
「あの、ザーク様?」
むむむ、と顔をしかめるイザークに、不安になりながら顔を上げると、イザークは懇願するように言った。
「エレノア、君の全てを一生俺の物にする。その代わり俺の愛も一生君だけの物だ。だから、他の男をその瞳に映さないでほしい」
「……ザーク様、重いです」
真剣な空色の瞳にどきん、としながらもエレノアは突っ込む。
イザークはしょんぼりとした表情でエレノアを見つめる。
(まったく、この人は……)
「ザーク様、はい」
エレノアは机の上にあったいちご飴を一粒イザークの口に運ぶ。
果実飴屋は、力の弱い聖女たちに引き継ぎ、今も王都で繁盛している。
聖女の仕事で忙しいエレノアは、果実飴屋を続けることが出来なくなった。寂しいけど仕方ない。
このいちご飴は、今日のために久しぶりに作った。
イザークは差し出されたいちご飴を反射的に口に入れた。
「……美味しい」
「初めて会った時も、そんな顔をしてくれましたね。思えば、ザーク様に恋をした瞬間かもしれません」
「…………!」
いちご飴をもぐもぐするイザークは、言葉を出せないが、表情で喜んでいるとわかった。
「表情をコロコロ変えるあなたから目が離せなかった。今は優しいザーク様のことを知っているけど、あのときはわからなかったから。教会の差金だと思って……」
キラキラと光る目の前の空色の瞳を見つめ、エレノアは続けた。
「もし、そんな表情をさせるのが私なら、私だけがさせたいです」
エレノアが頬を染めながらも、イザークに微笑むと、イザークはエレノアの腰を寄せて、口づけた。
いちごの甘い香りと味が、イザークからエレノアへとじわりと移るのを感じる。
「もちろんだ……俺に色んな感情をくれるのは君だけだ、エレノア」
熱っぽく甘いイザークの声が、エレノアの耳のひだをくすぐる。
「そうだ、これ」
イザークは胸元から小さなボトルを取り出してエレノアに差し出す。
「これ……」
イザークの手には、ぶどうの香りのハンドクリーム。
「冬の果実は何だろうか?」
「……ザーク様、気が早すぎ!」
ハンドクリームを手渡し、イザークが尋ねるのでエレノアは可笑しくて笑った。
「それに、監修はしてますが、私はもう果実飴屋をやっていません」
「果実飴は俺たちの……俺がエレノアに再会した時の特別な物だ。だから、エレノアは俺だけに作っていれば良い」
「……だから重いです、ザーク様」
真剣なイザークに、エレノアは笑いながらも突っ込んだ。
イザークはエレノアの手を取り、ミモザの指輪に口付ける。
「俺の愛を受け入れてくれたのでは?」
「う……」
至近距離で囁くイザークに、エレノアは頬を染めながらも頷いた。
瞬間、ミモザの香りに包まれたエレノアは、幸せで満たされた。
真実の愛を知ったエレノアとイザークは、これからも約束を繰り返しながら、幸せに暮らしていく。
こんな日までエマにからかわれるイザークに、エレノアはクスクス笑いながら言う。
「子供でも男は男だ」
「サミュもそんなこと言ってましたね」
「サミュが?」
マルシャに「お嫁さんにしてやる!」と言われた時のことをエレノアが話すと、イザークの顔は増々険しくなっていった。
「あの、ザーク様?」
むむむ、と顔をしかめるイザークに、不安になりながら顔を上げると、イザークは懇願するように言った。
「エレノア、君の全てを一生俺の物にする。その代わり俺の愛も一生君だけの物だ。だから、他の男をその瞳に映さないでほしい」
「……ザーク様、重いです」
真剣な空色の瞳にどきん、としながらもエレノアは突っ込む。
イザークはしょんぼりとした表情でエレノアを見つめる。
(まったく、この人は……)
「ザーク様、はい」
エレノアは机の上にあったいちご飴を一粒イザークの口に運ぶ。
果実飴屋は、力の弱い聖女たちに引き継ぎ、今も王都で繁盛している。
聖女の仕事で忙しいエレノアは、果実飴屋を続けることが出来なくなった。寂しいけど仕方ない。
このいちご飴は、今日のために久しぶりに作った。
イザークは差し出されたいちご飴を反射的に口に入れた。
「……美味しい」
「初めて会った時も、そんな顔をしてくれましたね。思えば、ザーク様に恋をした瞬間かもしれません」
「…………!」
いちご飴をもぐもぐするイザークは、言葉を出せないが、表情で喜んでいるとわかった。
「表情をコロコロ変えるあなたから目が離せなかった。今は優しいザーク様のことを知っているけど、あのときはわからなかったから。教会の差金だと思って……」
キラキラと光る目の前の空色の瞳を見つめ、エレノアは続けた。
「もし、そんな表情をさせるのが私なら、私だけがさせたいです」
エレノアが頬を染めながらも、イザークに微笑むと、イザークはエレノアの腰を寄せて、口づけた。
いちごの甘い香りと味が、イザークからエレノアへとじわりと移るのを感じる。
「もちろんだ……俺に色んな感情をくれるのは君だけだ、エレノア」
熱っぽく甘いイザークの声が、エレノアの耳のひだをくすぐる。
「そうだ、これ」
イザークは胸元から小さなボトルを取り出してエレノアに差し出す。
「これ……」
イザークの手には、ぶどうの香りのハンドクリーム。
「冬の果実は何だろうか?」
「……ザーク様、気が早すぎ!」
ハンドクリームを手渡し、イザークが尋ねるのでエレノアは可笑しくて笑った。
「それに、監修はしてますが、私はもう果実飴屋をやっていません」
「果実飴は俺たちの……俺がエレノアに再会した時の特別な物だ。だから、エレノアは俺だけに作っていれば良い」
「……だから重いです、ザーク様」
真剣なイザークに、エレノアは笑いながらも突っ込んだ。
イザークはエレノアの手を取り、ミモザの指輪に口付ける。
「俺の愛を受け入れてくれたのでは?」
「う……」
至近距離で囁くイザークに、エレノアは頬を染めながらも頷いた。
瞬間、ミモザの香りに包まれたエレノアは、幸せで満たされた。
真実の愛を知ったエレノアとイザークは、これからも約束を繰り返しながら、幸せに暮らしていく。