教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
6.保護するための結婚て何?
「このカーメレン公爵家は私が継ぎますし、私には婚約者がおりますので、貴方は兄上と結婚してもらいたい」
「ああ、頂点にいらっしゃる大聖女様ですね」
オーガストのツッコミどころ満載な言葉を一旦スルーして、エレノアは聖女とカーメレン公爵家の関係を確認する。
「……何を言っているんです? 私の婚約者は第二王女のサンドラ様だ」
エレノアの問に、思わず砕けた言葉遣いになるオーガスト。
(……何か凄い情報出てきた)
「兄上、まだ噂されているのですか?」
驚くエレノアを横目に、オーガストがイザークに呆れた視線を流す。
「俺には関係無い」
「……そうやって放置なさるから、周囲から固めようとしてくるのですよ。まあ、カーメレン公爵家相手に無駄な努力ですがね」
「ええと?」
兄弟で訳の分からない話をしだしたので、エレノアは首を傾げる。
イザークが見たことのない不機嫌な顔をしている。
「その噂は兄上のものですが、お相手が兄上にご執心で蒔いた下世話な噂ですので、気にしないでください」
「はあ……」
オーガストがにっこりとエレノアに説明をしてくれたものの、イザークは不機嫌なまま。
(あれだけイケメンなんだから、まあモテモテなんでしょうね。飴屋でも多くの女性に囲まれていたし)
騎士様も大変なんだな、そんなことを考えていると、イザークが突然こちらを向いて、エレノアの手を取った。
「エレノア殿、私はその女性のことは何とも思っていない」
「は、はあ……」
先程まで不機嫌だった表情はどこかに飛んでいったイザークは、縋るような目でエレノアを見ていた。
「だから安心して私と結婚して欲しい」
「ええと?」
だから、何故そこで結婚になるのだろう?そんな疑問を持ちつつ、エレノアはやんわりと遠回しに断りに持っていこうとする。
「大聖女様は侯爵家のご令嬢だと伺っています。そんな方を差し置いて、孤児である私と結婚なんて……」
「カーメレン公爵家は弟のオーガストが継ぐ。だから私には家同士の結婚なんて関係無い。でも騎士団で団長を務めさせてもらっているから、生活には困らせない」
「ええと?」
(騎士様は何故こんなにも一生懸命に私を説得しているのだろう?)
言葉に力を増しながら、イザークの距離がどんどん近くなっている。
(だから、近いです!!)
「エレノア殿、貴方は教会に戻りたくないんですよね?」
至近距離のイザークにエレノアが顔を赤くしていると、オーガストがくすくすと笑いながら、言葉を挟んだ。
「はい! それは、もう!」
エレノアは力強く頷きながら返事をする。
「こちらも、貴方を教会側に渡したくない。兄上との結婚は、貴方を守るために一番良い方法なんですよ?」
「というと?」
「兄上は騎士団の騎士団長。しかも、カーメレン公爵家の後ろ盾がある。そんな人物の妻に手出ししようなんて、そうそう思わないでしょう」
「なるほど……」
オーガストの説明にエレノアは思わず納得させられた。
「ええと、でも騎士様はそれで良いのでしょうか?」
ちらりとエレノアがイザークを見ると、彼は身体をびくりとさせ、悲しげにエレノアを見つめた。
(騎士様?)
「……兄上は、バーンズ侯爵家のご令嬢に家ごと迫られて困っていました。この話は兄上にとっても良いものでしょう」
「ああ、虫除けですね」
オーガストの言葉に、エレノアはようやく腑に落ちた。
「ああ、頂点にいらっしゃる大聖女様ですね」
オーガストのツッコミどころ満載な言葉を一旦スルーして、エレノアは聖女とカーメレン公爵家の関係を確認する。
「……何を言っているんです? 私の婚約者は第二王女のサンドラ様だ」
エレノアの問に、思わず砕けた言葉遣いになるオーガスト。
(……何か凄い情報出てきた)
「兄上、まだ噂されているのですか?」
驚くエレノアを横目に、オーガストがイザークに呆れた視線を流す。
「俺には関係無い」
「……そうやって放置なさるから、周囲から固めようとしてくるのですよ。まあ、カーメレン公爵家相手に無駄な努力ですがね」
「ええと?」
兄弟で訳の分からない話をしだしたので、エレノアは首を傾げる。
イザークが見たことのない不機嫌な顔をしている。
「その噂は兄上のものですが、お相手が兄上にご執心で蒔いた下世話な噂ですので、気にしないでください」
「はあ……」
オーガストがにっこりとエレノアに説明をしてくれたものの、イザークは不機嫌なまま。
(あれだけイケメンなんだから、まあモテモテなんでしょうね。飴屋でも多くの女性に囲まれていたし)
騎士様も大変なんだな、そんなことを考えていると、イザークが突然こちらを向いて、エレノアの手を取った。
「エレノア殿、私はその女性のことは何とも思っていない」
「は、はあ……」
先程まで不機嫌だった表情はどこかに飛んでいったイザークは、縋るような目でエレノアを見ていた。
「だから安心して私と結婚して欲しい」
「ええと?」
だから、何故そこで結婚になるのだろう?そんな疑問を持ちつつ、エレノアはやんわりと遠回しに断りに持っていこうとする。
「大聖女様は侯爵家のご令嬢だと伺っています。そんな方を差し置いて、孤児である私と結婚なんて……」
「カーメレン公爵家は弟のオーガストが継ぐ。だから私には家同士の結婚なんて関係無い。でも騎士団で団長を務めさせてもらっているから、生活には困らせない」
「ええと?」
(騎士様は何故こんなにも一生懸命に私を説得しているのだろう?)
言葉に力を増しながら、イザークの距離がどんどん近くなっている。
(だから、近いです!!)
「エレノア殿、貴方は教会に戻りたくないんですよね?」
至近距離のイザークにエレノアが顔を赤くしていると、オーガストがくすくすと笑いながら、言葉を挟んだ。
「はい! それは、もう!」
エレノアは力強く頷きながら返事をする。
「こちらも、貴方を教会側に渡したくない。兄上との結婚は、貴方を守るために一番良い方法なんですよ?」
「というと?」
「兄上は騎士団の騎士団長。しかも、カーメレン公爵家の後ろ盾がある。そんな人物の妻に手出ししようなんて、そうそう思わないでしょう」
「なるほど……」
オーガストの説明にエレノアは思わず納得させられた。
「ええと、でも騎士様はそれで良いのでしょうか?」
ちらりとエレノアがイザークを見ると、彼は身体をびくりとさせ、悲しげにエレノアを見つめた。
(騎士様?)
「……兄上は、バーンズ侯爵家のご令嬢に家ごと迫られて困っていました。この話は兄上にとっても良いものでしょう」
「ああ、虫除けですね」
オーガストの言葉に、エレノアはようやく腑に落ちた。