教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!

13.旦那様のお迎え

「さあ、エレノア様、出来ましたよ!」

 エマによってドレスアップされたエレノアは、目の前の鏡をまじまじと見つめた。

(エマ、凄い……!)

 ろくに手入れをしていなかった髪は、サラサラの艶々に生まれ変わり、エレノアの銀色を輝かせていた。

 化粧も施しており、みすぼらしい平民の少女が、見た目だけは貴族のご令嬢だ。

 スカイブルーのドレスに合わせて、ネックレスやイヤリングにはサファイアが添えられている。

「ありがとう、エマ!」

 こんなに綺麗な格好をしたことの無いエレノアは、嬉しくなって、鏡の前でくるくると自身の装いを何度も見る。

「今まで着る物なんて気にしてなかったけど……」
「やっぱり女の子ですもの! 着飾ると心がウキウキするものですわ!」

 エマの言葉に、エレノアがこくこくと頷く。

 今まで味わったことのない嬉しい感情に、心の奥がじんわりと温かくなった。

 そんなやり取りをしていると、コンコン、と部屋のドアがノックされた。

「さあ、エレノア様。旦那様のお迎えですよ?」

 エマはエレノアにウインクをしてそう言うと、部屋のドアをゆっくりと開ける。

 開かれたドアの前にはイザークが立っていた。

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