私は誰にも恋しない
「わっ私は大丈夫です。それよりごめんなさい。瓶を割っちゃって」

「そんな事はどうでもいい。お前が怪我しなくてよかった」

先生はそう言って私の方を見て笑う。

「私、片付けます」

私は慌ててしゃがみ込み、ガラスの破片を拾おうとする。

先生が私の手を掴んで止めた。

「いいって。怪我させるわけにはいかねーから。それより箒と塵取りを持ってきてくれ」

先生が保健室にある掃除道具のロッカーをチラッと見て言う。
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