私は誰にも恋しない
(鈴木…どこだよ)

洋介はひかりを探す。

ある店の前で律がひかりを抱きしめてるのを見てしまう。

(鈴木っ！)

「鈴木！ごめん」

洋介はひかりの元へ行く。

律はひかりを抱きしめながら洋介を睨む。

「…兄貴、ひかりに何の用？」

「律…俺は鈴木と話がしたい。2人にしてくれないか？」

「…嫌だって言ったら？どうせ、こいつのことまた泣かせるんだろ？」

「…頼む」

「はぁ…わかった」

律がため息をつきながら言う。

律がいなくなると先生が静かに話す。

「…鈴木、泣かせてばかりでごめん。いつも冷静なお前が俺がからかうと色んな顔を見せてさ、鈴木のこと可愛いなって思う自分がいて…いつの間にか目でお前の事追ってて…だけど俺は教師だしお前は生徒。バレたらお前は停学または退学になるかもしれないって思ったら…怖くて。
俺は…いいんだよ。教師やめても…でも俺のせいでお前を退学にさせるわけにはいかない…だから…」

「…バカですね。先生。自分の事よりも私のこと考えて…私ももう先生が私を好きじゃないなら誰とも恋しないって思ってた。
だけど無理です。先生何で追いかけてきたんですか？私は大丈夫です。待てます。
卒業まであと1年ちょっとです。だから教師だからとか生徒だからとかそんなこと考えずに先生の本当の気持ちを私は知りたいです。」

「…俺はひかり、お前の事好きだ。今すぐは無理だけど卒業したらちゃんと俺と付き合ってほしい」

ひかりは洋介の元に走り抱きしめる。

「…はい！」

洋介はひかりの頬を伝う涙を手で拭う。

そして口づけを交わす。
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