得点板から見る景色。
「私も人混みは好きじゃないけど、ここから眺めるとそうでもないかもね」


今は、たくさんの人のわくわくした顔が並んでいて、その中に自分がいないのがどこか寂しくなる。


そうこうするうちに時間が来て得点を同時に掲示する。


赤310点、白340点。白の勝ち。



アナウンスの声で歓声と悔しさの声が同時にグラウンドを埋め尽くす。



「……こうやってみんなと離れたところで見てると、どうにも喜べないね」



「そうっすね」


「そっか、君、白組か。優勝おめでと」



「先輩、赤組ですよね。悔しさとかはないんですか?」



「んー、勝ち負け自体はあんまり。でも…」


下を白石団長はこれでもかと泣き、団員たちと輪になって悔しさを分かち合っている。


そこには女子の姿もちらほら。


いいな。きっとあの中にも、団長のことがすきな人がたくさんいるんだろうな。



校内には、きっと白石団長のことが好きな女子がたくさいんいる。


そしてその中でも団長と同じ競技にでることも、応援することも、一緒になって喜ぶことも悲しむこともできない私は、一番団長との距離が遠い。



私の恋に、もう勝機はきっとないだろう。


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