ドロ甘な愛を稀血に溶かして

夢の中。

どっちの愛情が深いのか、熱弁するかのように言い合いになったり。



(決着がつかなくて、最終的には襲われてるけど)



「映画見終わるまで、美織ちゃんのことを抱きしめさせて」


「2時間以上も?」


「後ろからギューしてたいんだ。俺の温もりが心地いいって、美織ちゃんに刷り込みたいから」



甘い熱に包まれながら、首筋にキスを落とされたり。



――キュートな王子様を、贅沢に独り占め。

――この夢、一生覚めないでほしいなぁ。



毎晩眠りにつきながら、幸せな時間を過ごしているんだけど……



現実世界はどうかって?



……えっと

……それは。



聞かないで欲しかったなぁ。



私とクール王子様の関係は、糖度ゼロ。

甘さなんてものは全くない。

私は環くんに、嫌われているみたいなんです。

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