ドロ甘な愛を稀血に溶かして
走り去る美少女の背中を、ただただ見つめる私。
小悪魔っぽく揺れるツインテールに瞳を奪われ、心がドス黒く染まってしまう。
ほらやっぱり。
環くんには好きな子がいた。
じゃあ、なんで?
クラスメイトの前で、暴露なんかしちゃったの?
私たちは婚約してるって。
ほんと、わからないよ……
教えてよ……
環くんの本心……
集合場所が間違っていた。
裏門横の駐車場まで行かなきゃいけない。
でも……
失恋の痛みに耐えられなかった私は、出発ギリギリまでイチョウの木の下から動けなかったのでした。