ドロ甘な愛を稀血に溶かして
3泊4日分の荷物が入ったボストンバックを外から車体の下部に詰めこみ、バスに乗り込む。
真ん中あたりの窓際、自分の指定席に腰をおろした。
まだ美織ちゃんは、バスに乗り込んではいない。
俺より早くに、家を出たと思うけど。
他のクラスの子と、おしゃべりでもしてる?
バスの中で座っていると、シャーペンの行方よりも、だんだん俺自身のことの方が心配になってきた。
なにせ学園から駅までの30分間、俺は美織ちゃんの隣に座り続けなければいけないから。
美織ちゃんを慕っている女子のはからいで、いつの間にかバスの席替えをされていたみたいで……
断れなかった。
美織ちゃんの隣に座りたい。
沸き上がる欲望が、押さえられなくなってしまったから。