ドロ甘な愛を稀血に溶かして
俺はもともと個人行動予定で、静かな場所を見つけてお昼寝でもしてよっかなーっいて思ってたけれど。
美織ちゃんが男子に誘われているのを見て、いてもたってもいられなくて。
『婚約証明書』なんてものを突き付けながら、みんなの前で言ってしまったんだ。
『俺の婚約者、勝手に誘惑しないでね』って。
そして、美織ちゃんを誘ってしまった。
遊園地を一緒に回ろうと。
「環くん、おはよ~」
窓際の席でバスの外を眺めていた俺に話しかけてきたのは、通路に立つ4人女子。
「美織ちゃん、まだ来てないの? 遅いね」
前と後ろの席の女子も立ち上がって、計8人の女子に囲まれている。