ドロ甘な愛を稀血に溶かして
「この前私が忘れ物して先生に怒られてたらね、私が借りっぱなしで返しそびれてて、私のせいなんですって庇ってくれたの」
「美織ちゃんって、人の悪口言わないしね」
「集団の輪の中に遅れて入っても、何を話してるのか要点まとめて教えてくれるし」
いつの間にか俺は、『清住美織・いいとこ見つけの発表会』に紛れ込んでしまったようだ。
大好きな人を褒められて、悪い気はしないけど。
「環くん、美織ちゃんのことを好きになってあげなって」
物心ついた時から、ずっと好きだし。
「どうせ結婚するなら、相手のことを好きになった方が絶対に良いじゃん」
だから、命をかけられるほど大好きなんだってば。
「今夜、環くんと美織を二人きりにしてあげるよ。 私、友達の部屋で寝るから」