ドロ甘な愛を稀血に溶かして


「昨日の夜、レイラちゃんの部屋に置き忘れちゃったんでしょ?」



「……えっ?」



レイラさんの部屋?

美織ちゃん、何を言ってるの?



俺が無くしたのは図書室で。

レイラさんの家なんて、どこにあるかすら知らないし。

知りたいとも思わないし。



「そのシャーペン、まだ持っててくれたんだね」



「美織ちゃんが……くれたものだから……」



「もう捨てていいよ」



……は?


捨てる?



「遊園地でお揃いのシャーペンを買ってプレゼントしてあげたらどうかな? レイラちゃん、喜ぶんじゃないかな?」


「なんでレイラさんがでてくるの?」


「それじゃ私、後ろの席に行くね」


「……っ、待って!」


「お互い、素敵な修学旅行になるといいね」

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