ドロ甘な愛を稀血に溶かして
はぁぁぁぁ~
環くんは、覚えていないよね?
小4のバレンタイン。
3段の手作りチョコケーキを渡した時、私に言ってくれたんだよ。
バレンタインのお返しに、私と一緒に遊園地をまわってくれるって。
断られたらどうしよう。
不安に押しつぶされそうになりながら、めいっぱいの勇気を声に溶かして、声を震わせながら遊園地に誘ったの。
私の不安を吹き飛ばしちゃうくらいの満面の笑みで、環くんはOKしてくれて
『美織ちゃんが乗りたいもの、全部のろう』
そう言ってくれた時には、涙が出そうになるくらい嬉しかったんだ。
それなのに……
あのあと私が交通事故にあい、三途の川をさまよい、奇跡的に目覚めたときには、環くんは変わってしまっていた。
『環くん、心配かけてごめんね。私が完全に回復したら遊園地に行こうね』
『無理』
『えっ?』
『二度と俺に話しかけないで』