ハプニングは恋のはじまり


* * *


 まず二人は琉球衣装体験に向かった。
 二人とも違う制服を着ていて目立つため、またSPに見つからないため装いを変えることにしたのだ。

 初めて袖を通した琉球衣装は、とてもテンションが上がった。


「なんてよくお似合いなのでしょう!本当にお姫様みたいですね!」


 着付けをしてくれたスタッフにはやたらと褒めちぎられた。
 八重自身もなかなかに気に入ったので、悪い気はしない。


「お待たせ致しました」


 着替えて出ていくと、明緋も男性用の琉球衣装に身を包んでいた。赤髪が良いコントラストになっていて、とてもよく似合っている。


「よくお似合いですわ」

「……っ」


 しかし明緋は八重のことをじっと見つめて、口元を押さえて固まっている。


「いかがされましたか?」

「あっいや……!あまりにもかわいくて……っ」


 髪色と同じように頬を赤く染めていた。
 もっと軽い感じか、テキトーな感じで返されると思っていたのに、まさか本気で照れられるとは思っていなかった。八重もつられて赤面してしまう。


「ありがとうございます……」


 胸がドキドキと鼓動する。こんな気持ちは初めてだった。


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