身長差25㌢の、私と彼。
冷静な様子で結城くんに説明され、思わず素直に御礼の言葉を返す。
…が。
「いやいやいや。葵、もしかして結城くんに私を探させといて、自分だけ先に新幹線に乗ったってこと!?ちょっとひどくない!?」
「まぁ、落ち着けって。」
「だって!これからどうすれば…」
「ま、改札は通っとるんだし、駅員の人に事情話して、自由席に乗って帰ればよくね?みどりの窓口で俺が事情話すけん、とりあえず、行こ。」
くるっと後ろを向いて、スタスタとエスカレーターへ向かう結城くん。
足、長っ!歩くの、早っ!
ゴロゴロと音を立ててキャリーバッグを引っ張りながら、慌てて結城くんの後ろをついていく。
私が追いつけていないのに気付いた結城くんは、エスカレーターの横で私が追いつくのを待っててくれた。