身長差25㌢の、私と彼。
フッと笑った結城くん。
いつも無愛想な印象なのに、笑った顔がちょっと格好よく見えて一瞬ドキッとする。
「う、うん。改めて見ると綺麗な顔立ちなんやね、結城くんって。」
正直にそう言うと、結城くんが少しびっくりしたような顔をして、それから少し頬を赤らめた。
そんな様子に私が思わずびっくりして目を見開くと、結城くんはぐるんと前に向き直った。
「…んだよ。なんで今日に限って目合わせてくるんだ…」
前に向き直ったまま、結城くんはなにやらブツブツ呟いてる。
エスカレーターを降りて、2人でみどりの窓口まで行くと、結城くんが駅員さんに事情を説明してくれた。
生徒手帳を見せて学校名を確認してもらったり、スマホの画面を見せて何か説明したりしてくれてる。
乗り遅れたことをようやく理解してもらえたようで、紛失した時と同じような手続きをとって、乗車券代わりのものを再発行してもらえた。