初恋のつづき
2、同一人物?
「それでは改めまして、今回御社の新商品のプロモーション、並びに発売イベントのプロデュースを担当させて頂きますTYM営業企画課課長代理、名桐 由凛と申します。今プロジェクトの統括マネージャーも務めます。至らない点もあるかと思いますが、精一杯務めますのでどうぞよろしくお願い致します」
「同じくTYMプロモーションプランナーの渋谷 旭です。このチームで絶対イベント成功させましょう!よろしくお願い致します!」
ーーあれからランチを終えた真瀬さんと私は今、例のキックオフミーティングに参加している、……のだけれど。
コの字型に配置されたテーブルの上座に立ち自己紹介をする二人のうちの一人に、私の目は釘付けになっていた。
(……彼、今名桐 由凛って名乗った……?)
聞き間違い、だろうか。
さっきあまりにも懐かしい曲が流れて来て、久しぶりに彼のことを思い出してしまったから。
だから、そんな空耳まで聞こえて来たのだろうか?
それとも空耳でなかったとしたら、同姓同名……?
……いや、だって私の知っている記憶の中の名桐 由凛くんは、あんなんじゃなかったんだもの。
制服を着崩してピアスもいっぱい付けて、髪だって金色に近い琥珀色で、無口で誰に対しても塩対応でほとんど笑わなくて……。
ーーそう、私の知る名桐 由凛くんとはつまり、さっき〝四季〟で話題に上って、私がかなり久しぶりに頭の中で思い浮かべた彼、エリックくんのことなのだ。
だけど今目の前にいる、清潔感のある黒髪に一分の隙もなくピシッとスーツを着こなし、そつのない笑顔を浮かべてハキハキと挨拶をするいかにも好青年な彼は、私の記憶の中の彼とは到底似ても似つかない。
……うん、これはやっぱり同姓同名説が濃厚じゃない……?
「同じくTYMプロモーションプランナーの渋谷 旭です。このチームで絶対イベント成功させましょう!よろしくお願い致します!」
ーーあれからランチを終えた真瀬さんと私は今、例のキックオフミーティングに参加している、……のだけれど。
コの字型に配置されたテーブルの上座に立ち自己紹介をする二人のうちの一人に、私の目は釘付けになっていた。
(……彼、今名桐 由凛って名乗った……?)
聞き間違い、だろうか。
さっきあまりにも懐かしい曲が流れて来て、久しぶりに彼のことを思い出してしまったから。
だから、そんな空耳まで聞こえて来たのだろうか?
それとも空耳でなかったとしたら、同姓同名……?
……いや、だって私の知っている記憶の中の名桐 由凛くんは、あんなんじゃなかったんだもの。
制服を着崩してピアスもいっぱい付けて、髪だって金色に近い琥珀色で、無口で誰に対しても塩対応でほとんど笑わなくて……。
ーーそう、私の知る名桐 由凛くんとはつまり、さっき〝四季〟で話題に上って、私がかなり久しぶりに頭の中で思い浮かべた彼、エリックくんのことなのだ。
だけど今目の前にいる、清潔感のある黒髪に一分の隙もなくピシッとスーツを着こなし、そつのない笑顔を浮かべてハキハキと挨拶をするいかにも好青年な彼は、私の記憶の中の彼とは到底似ても似つかない。
……うん、これはやっぱり同姓同名説が濃厚じゃない……?