初恋のつづき
実は、一年の終わりに彼女が東北の方へ引っ越してしまうまでは、私たちは同じ高校で同じクラスだった。
〝遠野〟と〝寺井〟で出席番号が前後だったという何ともありがちなきっかけで仲良くなってから、他にも気の合った二人を交えた四人のグループで、私たちはよく一緒につるんでいた。
でもりかちゃんの転校後は、今時珍しくSNS系を一切やっていなかった私は残念ながら彼女とは徐々に疎遠になっていってしまって。
それから六年後。
何と、ここの入社式で偶然再会したのがきっかけで、私たちの友情はまた繋がったのだ。
「……名桐、名桐……」
私の口から飛び出した名前を呟きながら、りかちゃんの眉間にグッと皺が寄る。
そんな顔をしていても、りかちゃんは美しい。
「うん、私たちと同じ高校で同級生だった。噂の二人のうちの一人がね、実はその名桐 由凛くんだったの」
「……名桐……、由凛……」
一年の時、私たちと名桐くんは同じクラスではなかったけれど、彼は一年の時からその容姿ですでにかなり目立っていた。
だから、ひょっとしたら彼女の記憶にも残っているかもしれないと思ったのだ。
ーーうーん、と顎に手を当てて考え込むこと数秒。
「ーーっあ〜〜っ!」
りかちゃんが、ガタンっ!とイスが倒れそうな勢いで立ち上がると同時に小さく叫んだ。
〝遠野〟と〝寺井〟で出席番号が前後だったという何ともありがちなきっかけで仲良くなってから、他にも気の合った二人を交えた四人のグループで、私たちはよく一緒につるんでいた。
でもりかちゃんの転校後は、今時珍しくSNS系を一切やっていなかった私は残念ながら彼女とは徐々に疎遠になっていってしまって。
それから六年後。
何と、ここの入社式で偶然再会したのがきっかけで、私たちの友情はまた繋がったのだ。
「……名桐、名桐……」
私の口から飛び出した名前を呟きながら、りかちゃんの眉間にグッと皺が寄る。
そんな顔をしていても、りかちゃんは美しい。
「うん、私たちと同じ高校で同級生だった。噂の二人のうちの一人がね、実はその名桐 由凛くんだったの」
「……名桐……、由凛……」
一年の時、私たちと名桐くんは同じクラスではなかったけれど、彼は一年の時からその容姿ですでにかなり目立っていた。
だから、ひょっとしたら彼女の記憶にも残っているかもしれないと思ったのだ。
ーーうーん、と顎に手を当てて考え込むこと数秒。
「ーーっあ〜〜っ!」
りかちゃんが、ガタンっ!とイスが倒れそうな勢いで立ち上がると同時に小さく叫んだ。